猫なのに狐につままれたみたいな治り方をしていく『猫を処方いたします。』(石田祥 PHP文芸文庫)

“だいたいの悩みは猫で治るらしい”。

京都の路地にある、怪しげなメンタルクリニックでは、

心の不調で訪れた人に処方するのが、

薬ではなく

ブラックやけど、一流企業。

やから、親をがっかりさせたくなくて我慢、我慢。

でも、心も体も悲鳴を上げて、食欲不振他に悩む青年とか。

自分が抜擢されると思っていたポストに、

自分より若い女性上司がやって来て。

何でもかんでも周囲を褒めまくる女性上司の声が頭でグルグルして、

夜眠れなくなった中年男性とか。

色んな困りごとを抱えた人達が、次々助けを求めて訪ねてくるわけです。

それが、摩訶不思議。

を処方されたお蔭で、

自分が、いつの間にか嫌いだった女性上司を褒める側に回っていたり、

なのににつままれたみたいな治り方をしていくんです、これが。

薬とかで「問題」に直接アプローチしているわけではないのに、

いつの間にか「問題」が解決していく

これって、ある意味“解決志向アプローチ”

(詳しくは、“神戸カウンセリングサロンのソリューション・フォーカスト・アプローチとは” をご覧下さい。

も借りたい状況につき(少々盛ってます&少々抜きm(__)m)。

あと、どうやら本書、11回京都本大賞を受賞してはるらしいんです。

麩屋町通上ル六角通西入ル富小路下ル蛸薬師通東入ル…

「どうして京都市民はこんな曖昧な表記をわざわざ使うのだろうか。

たかが住所ひとつにしても、よそ者を寄せ付けない周りくどさを感じてしまう」(p.7)

なんて記述があるにもかかわらずです!

この、京都本大賞の懐の広さにも感じ入りました。

実は、222日の“にゃんにゃんの日”にと思って読み始めたのに、

間に合いませんでしたm(__)m

どうか懐広く受け入れて頂けると有り難いです。久々の更新も。

そうそう、『猫を処方いたします。2もあるようですよ。

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