「あなたに向けて、書いたんです」『鎌倉うずまき案内所』(青山美智子 宝島社)

お馴染みの青山さん本。

今回の決めゼリフは、「はぐれましたか?」

人混みにいるわけでも、連れの人を見失ったわけでもないのに、

「はぐれましたか?」のセリフが胸に刺さる、

結婚に悩んだり、クラスで仲間はずれにされたくなかったり、

人生にはぐれかけてる人たち

そんな彼女、彼らが、進むべき方向を取り戻して行く連作短編集(涙)。

特に、過剰適応傾向者(!?)として響いたのは、

子育て中の母親のセリフ。

「保育園に迎えに行くと、他の子たちとは離れたところでひとり、レゴのものすごい大作を作っていたこと」。

あのころは、嬉しかったのだ。真吾が他の子と違うことが」。

「いつからだろう。みんなと同じじゃないと不安になったのは。普通のことを普通にしてくれればいいと思うようになったのは」(p.114)とか。

巻きがうまく作れなかったジェシカのセリフ。

『エラー?ノー。エラーじゃない。サクヤのと違う。That’s all』。

ザッツ・オール。ただそれだけ。朔也の作った太巻き違うだけ。失敗じゃない」(p.166)。

そして、ブロガー(!?)として響いたのは、

「私『瓶の中』を読みました。すごく救われた気持ちになって、

あの本、私に向けて書かれたんじゃないかって、そう思いました」。

『そうだよ』『あなたに向けて、書いたんです』。

『読んでくれてありがとう。あなたに、ちゃんと届いてよかった』(p.181,182)。

誰かに向けて、届くべき人に届けたくて、書かずにいられない衝動で書いている』。

「ただ、読んだ人がこれは自分に向けて書かれた小説だって思ってくれたら、きっとそのとおりなんだ(p.303)。

そして、

ダジャレは素晴らしい文化です。日本人は昔から大真面目にダジャレを用いてさまざまな局面を乗り越え、幸せであるようにと祈りを込め、豊かな心を育んできたのですよ」。

「ご縁があるようにと五円玉をお守りに持ち歩いたりね」(p.351)。

と言っておきながら、今回は大真面目なノーダジャレ。

あまのじゃくつむじ曲り。

つむじうずまき ということで(結局言うてます、笑)♪

追記 黒祖ロイドには2度たまげます😲

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