「問題」が問題なのではなく 解決が構築されていく、
皆さん自身も気付いていない「どうなりたいか」にフォーカスしたセラピーです。
“カウンセリング”や“セラピー”ときいて、どんなイメージを持たれるでしょうか?
じつは心理療法は、400以上あるといわれています。
そのうちの一つがSFA。
もちろん、初めて耳にする方がほとんどでしょう。
では、どうしてわたしが、たくさんの療法の中からSFAを“推す”のか。
エビデンスがあるということのほかに、
「関西人」だからです(笑)。
なんのこっちゃ?ですね。
もちろんいらしていただいたからには、お話をきちんと聴かせていただくのは当たり前。
でも、それだけでは「もったいない」。
せっかくですから、どんどんもとを取ってほしいのです。
つまり、困っているからお越しになる。
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その「困った」の先にある、皆さん自身も気づいていない、
「本当に求めているもの」(“ウェルフォームド・ゴール”といいます)を、一緒に探したいのです。
一つ例をあげましょう。これは、『読んでわかる やって身につく 解決志向リハーサルブック』(遠見書房)という本のなかで紹介されているお話です。
ある時、電気屋さんに一人暮らしのおじいさんから、故障したテレビの修理依頼がありました。
ところが行ってみると、古くて部品がない。
そこで、「新しいのを買ったら?」と言うと、『お金がない』と。
可哀想に思った電気屋さんが、「テレビで何を見てたのさ?」と聞くと、
『付き合い下手で話し相手もおらず、囲碁番組が唯一の楽しみ』と、おじいさん。
「そうなのかい。それなら、毎週町内の老人会で囲碁教室をしているよ。
私も行ってるから、一度一緒に行ってみよう」と誘ってみると…。
最初は乗り気ではなかったおじいさん。
ところが行ってみたら、誰よりも強いということがわかり、
今では“先生”と呼ばれて、毎週通うとこになったとさ。
と、最初のテレビの故障という「問題」が問題ではなくなって、素敵な解決がやってくる。
こんなことが起きるのが、SFAなのです。
他には、家族療法。
例えば、ダイエットをしても続かないという場合。
問題を解決しよう(=体重を減らそう)と、うまくいっていないにもかかわらず続けていること(=お菓子をいっさい我慢しようとすればするほど)が、かえって問題を維持する(=ますます甘いものが食べたくなる)悪循環を生んでいることがあります(“偽解決”といいます)。
そんな時には、「甘いものを食べたらアカンはアカン(笑)。ただし、こん身の1個で!」と、悪循環を断ち切るために、これまでとはあえて違う提案を行ったりします(“第二次変化”といいます)。
認知行動療法(CBT)も用います。
『自ら挑戦する社会心理学』(保育出版社)の中では、「気付かれにくいストレス」として“過剰適応”についてわたしが執筆しています。
その他に、CBTの認知再構成法(コラム法)についても執筆しています。
誰でも、生きていたらイヤな気分のひとつも感じます。
ただひょっとするとそう感じる要因の一つに、かたよった、機能的でないもののとらえ方がひそんでいるかもしれません。
そんなときは、表(コラム)を使って、機能的、合理的な考え方を身に付けてもらったりもしています。
きちんとエビデンスのある方法で考え方の幅を広げることで、
気分が楽になることを多くの方が実感されています。