2026年5月10日付けブログ「5/10 Happy Mother’s Day🌹」
( https://kobe-counseling-salon.com/mothers-day2026/ )では、
お母さんのことが大好きな方も、
今はちょっと距離を置きたいかもという方も。
いったん横に置いた母娘問題。
とはいえ、ずっと置いておくわけにもいきませんよね。
今日は、穏やかに(!)、けれどもしっかりと一緒に向き合って行きましょう。
今回ご紹介するのは、この1冊。
『逃げたい娘 諦めない母』(朝倉真弓・信田さよ子 著/幻冬舎)。
物語形式で進む朝倉真弓さんのストーリー(泣けます。と言うか泣きました)と、
母娘問題の第一人者・信田さよ子さんのコラム(勇気が出ます!)。
娘側に寄り添ってくれるだけでなく、母側へのまなざしも優しくて、
母娘問題に取り組みたいけれど、どこから手を付けて良いものかと、
ためらっている方にも、安心して挑戦出来る1冊です。
そして、物語の主人公・瑠衣の姿に、
過剰適応しがちな自分自身を重ねずにはいられませんでした。
◆ 「いい子」という名の、見えない鎖
瑠衣のように、「母の望む正解」をずっと探し続け、
「大人になっても続く母娘のしんどさ」感じている方は、
たくさんいらっしゃいます。
「母は、同性である娘をいつまでも自分の管理下に置きたがります」。
「そんな母に育てられ、母にとっての “いい子” として成長してきた娘は、
大人になってからもあらゆるブロックに苦しむことになります」(p.4)。
服を汚さない、期待された役割を果たす……。
その期待に応えれば褒められ、外せば不機嫌な空気が流れる。
そんな環境で育つと、いつの間にか大人の顔色をうかがい、
先回りして期待に応える子どもになって行く(p.65)。
親に認めて貰いたくて頑張り続けているのに、その要求に終わりはない(p.78)。
そんな出口の見えないトンネルの中を歩んでいるのは、あなただけではありません。
◆ 大人になっても消えない、卑下するクセや成功への恐怖
親の干渉、束縛が強過ぎたままだと、「自分など大したことはない」と思ったり、
自分を卑下する癖がついてしまうことも(p.153)。
また、「何かが上手くいったあとには、
必ず落とし穴が待っていそうな気がして」怖くなる(p.158)。
この、今回成功しても、「次は失敗するぞ」と脅されているような感覚(p.159)。
一人暮らしなのに、いつも監視されているような、
さらに、母からの連絡ひとつで内臓がギュッと縮むような緊張感(p.161)が、
大人になっても続くのです。
◆ あなたはもう、十分に親孝行してきた
物語の中で、同僚の智治が掛けた言葉は、
まさに皆様にお伝えしたいことと重なります。
『でもさ、きっとお母さん、なんだかんだ言って、
お前を育てているあいだは楽しかったんじゃないかな。
だってお前、お母さんに逆らわない “いい子” だったんだろ?
それで十分じゃん。それだけですごい親孝行だよ』。
『親に会いたいとか、会いたくないとか、会わなければならないとか、
会うべきとか、いちいち難しく考えずに、
自分の気持ちを大切にしたらいいんじゃない?
いい大人なんだから、自分の人生をいきようよ』(p.162,p.163)
◆ 母からの静かな解放に向けて
本書では、
母からの、母への執着を少しずつ手放していく心構えが描かれています。
・自分が楽しく、幸せに生きていくことに、誰に対しても負い目を感じなくていい(p.175)。
・優先すべきは、自分自身の感情(p.181)
・母に対して認めてほしいという執着があったことを認める。そして、手放す。
それには、「価値観の異なる他人だと考え、分かってもらおうとあがくのをやめる」(p.182)。
◆ カウンセラーの視点から
信田さよ子さんはコラムで、母になることの孤独について触れています。
「つまり、母になるということは、
いつか『子供が自分の意に沿わない選択をする未来』と、
『それを黙って受け入れなければいけない義務』に苦しむ日が来るということです。だから先人たちは、
その “いつか” が来たときに母が静かに苦しみを受け入れられるように、
『子供は3歳までに一生分の親孝行を終えている』という言葉を
伝え続けてきたのでしょう」。
そして、「子どもは分身でも所有物でもない」。
だから、母になることは、その寂しさと孤独に耐えることを要求されるのだと(p.190)。
10年前の本ですが、これらのメッセージは今も色褪せません。
「母娘」だけでなく、息子さんや、夫との関係に悩む方にも、
多くのヒントがあると思われます。
もし今、あなたが「親を重く感じる自分」を責めているなら、
あるいは、どう距離をとっていいか分からず立ち止まっているなら、
どうぞ一度、その荷物をここに置きにいらして下さい。
朝倉さんも、「“いい子” な後輩たちへ」と、
以下のようなメッセージを記されています。
「時に、親を重たく感じることは、決して悪いことではありません。…
あなたがそう感じてしまうだけの理由があるのですから、仕方がないことです」。
「だったら逆に、親を許す・許さないで苦しむのではなく、
親が苦手だと思う今の自分を許しましょう。親に対する執着を捨てましょう。
そして、自分の心の城壁を守り抜き、親との距離を作り直しましょう」。
「 “いい子” な皆さん、大人になったあなたの人生は、あなただけのものです。
自信を持って生きていきましょう!」と(p.194,p.195,p.196)。
◆次回へ続く
さて、本書で全体像はつかめたけれど、もっと具体的な事例に触れたいという方。
もう少し過激(!)に行きたい、という方のために、
次回は、この本の2年後に出版された、自身の「母娘」体験をマンガにした1冊へ、皆さんをいざないたいと思います♪

