
当サロンでは、お一人でのご相談はもちろん、
カップルでカウンセリングにお越しいただくことも少なくありません。
今回は、立命館大学 総合心理学部の三田村仰先生と谷千聖先生による、
科学的根拠に基づいた「カップル関係のためのヒント」満載のお話を、
皆さまにもお裾分けしたいと思います。
◆なぜ、二人の関係性は「こじれて」しまうのか
パートナーとの関係性がこじれている時、
そこには「一度はまると抜け出しにくい苦痛なパターン」が
存在していることが多いのだそうです。
その典型的なものが、「追及―撤退パターン」。
一方が「追及」する: 「なんでわかってくれないの?」と責める。
すると、
もう一方は「撤退」する: 自分の意見を言わなくなる等して、引き下がる。
そしてお互いに意固地になり、どんどんエスカレートしていく……。
これは、個人の性格の問題というより、
二人の間に流れる「1回はまると抜け出しにくいパターンのしわざ」と
言えるようです。
◆ジョン・ゴットマン博士の「離婚のマーカー」
心理学者のゴットマン氏は、カップルの会話を分析し、
関係を悪化させる4つのステップを挙げています。
「批判」: 相手の「行動」ではなく「人格」を否定する言動。
(例:「あなたはいつもそう」「何でそんなことも出来ないの?」)
↓
すると、「批判」された相手がするのが、「自己弁護」。
↓
「自己弁護」: 責められたと感じて守りに入る言動。(例:「俺だって大変なんだ」)
↓
そうなると、次に相手が取る態度が「軽蔑」。
↓
「軽蔑」: 相手を見下しさげすむ反応。これが最も関係にダメージを与える。
(例:相手の声真似をしてからかう、あざ笑う)
↓
そして、最後たどり着くのが「石像化」。
↓
「石像化」: 聞き手が会話から「撤退」する、いよいよ破局が濃厚になる反応。
(例:完全な無反応を決め込む。そっぽを向く。目も合わせない)
◆「パターンの外」へ出るために
この苦しい連鎖を止めるには、
①まず2人の間に「パターン」が存在することに気付く。
②そして、自分とパートナーは、「追う側、引き下がる側のどちらなのか?」を知る。
グリーンバーグの感情理論によると、
表出されている「怒り等(二次感情)」の裏には、
実は「わかってもらえなくて悲しい」という、
押し殺した「一次感情」が隠れていることがある。
③この、もともとの一次感情に気付き、素直に表現する。
「親密な関係」とは、実は「鎧を着ていない、無防備な、
すなわちお互い傷付きやすい関係」なわけです。
特別な関係の人だからこそ、放置等されるのが辛くて、
つい攻撃的な態度で自分を守ってしまう……。
そんな健気な心理が隠れているのかもしれないと言うわけです。
◆今日からできる小さな工夫
ゴットマン夫妻は、こんな提案をしています。
「追う側」のあなたへ:
相手を責める代わりに、「私は今、こう感じていて、こうして欲しい」という
自分の一次感情、ニーズを柔らかく伝えてみませんか。
「引き下がる側」のあなたへ:
防御したくなる気持ちを少し脇に置いて、
まずは相手の言葉をそのまま受け止めてみる。
心がざわついたら、一度深呼吸して落ち着きを取り戻しましょう。
◆まとめ
こじれの正体は、個人の性格ではなく「追及―撤退のパターン」かも。
そこで、柔らかな伝え方と、オープンに応える姿勢を意識してみる。
二人の関係性の変化には、二人の協力が不可欠ですが、
これらパターン等を知って、出来る範囲で工夫をすると改善してくる。
それでももしも二人だけでは、「パターンや一次感情に気付きにくい」
「伝え方、応え方に自信が持てない」と感じる時は、
カウンセリングという専門的な場を利用してみて下さい。
第三者が入ることで、驚くほどスムーズに絡まった糸が解けることがあります。
当サロンも、
そんなお二人のこれまでとこれからをサポートする場所でありたいと思っています。
さて、講座の前半部分についても素晴らしいお話があったので、
それはまた次回のブログでご紹介しますね♪
(参考図書) 三田村仰著『カップルセラピーの教科書』上・下巻(2025)
