29年経ちます。
当時住んでいた、西宮の家は全壊でした。
寒くなると、震災関連の報道が増えます。
2024年1月10日の朝日新聞夕刊に、こんな見出しの記事が載りました。
「おふくろの千円札 僕を助けてくれた」
29年前の千円札を、今も手帳の中に大切にしまっている高校教諭の堀洋介さん。
震災前日、たまたま検査入院中の病院から神戸市灘区の家に一時帰宅。
『病院に帰るんか、自宅に泊まるんかどないすんの?』と聞かれて、
たまたま「病院に帰るわ」と。
『分かった。ほな持って行き』と、お母さんから渡されたのがこの千円札。
それが、最後の会話になってしまったのだそうです。
「なぜあの日に限って、おふくろは泊まって行きって引き留めなかったのか…」。
震災後、人生で辛いことがあると、堀さんはこの千円札を見返す。
すると、「悩んどったらあかんで」「頑張りや」というお母さんの声がよみがえるのだそうです。
お札と言えば、私にも思い出があります。
何年か前に、父が送ってきたお札と手紙。
そこには、
「ここにはいっている包みは、慶さんが高校生の時、
初めてアルバイト料からお母さんと私二人にくれたものです。
僅かなバイト料の中から包んでくれたのが嬉しくて、尊くて勿体なくて、
とても使う気にならなかったのです。
お母さんもいってしまい、遠からずこちらも旅立つことになるので、
ここで感謝を一杯込めてお返しすることにします。
本当にありがとう」と、書かれていました。
その時はもちろん、いつ読み返しても涙が出ます。
それにしても、堀さんと明らかにお札の柄が違いますね☺
ちなみに父健在です。元気で長生きして欲しい!
そして、かつての被災者も今大変な思いをされている被災者の方々も!