NHKの連続テレビ小説「おむすび」。
第8週(11/18~)が、「さよなら糸島 ただいま神戸」、
第9週(11/25~)が、「支えるって何なん?」、
そして、第10週(12/2~)が、「人それぞれでよか」でした。
見覚えのある、神戸の景色たちに🙌
その一方で、
幼少期に阪神淡路大震災に遭遇していた主人公の米田結(橋本環奈)が、
「うち後悔しとうっちゃん。地元の人がおむすび持ってきてくれたんやけど、
冷たい言っちゃって」というセリフには、
まさに約30年前避難所で、
どこのどなたかもわからない方々が差し入れて下さったおむすびやパンが本当に有難かったこと、
真っ暗だった小学校に電気が灯った時、
そこに避難していた人達から一斉に拍手が起きたことなどが思い出されて、
涙、涙でした。
第10週の時代設定は、震災から10年余りが経った頃。
街の復興と同じスピードでは進まない、心の復興。
「しんきくさいわ。いつまでもうつむいてんの、あの人だけやん」。
そんな後ろ指をさされる、ずっと心を閉ざしたままの渡辺孝雄(緒形直人)のことを、
「アスパラガス! 安定した収穫ができるまで3年くらいかかるやろ。
トマトは2か月くらい。
野菜がそれぞれなように、(心の復興は)人それぞれなんやないかなって」と、かばう結。
ここで使われた“メタファー*”は、「非常に重要な臨床ツール」と言われていて(『メタファー 心理療法に「ことばの科学」を取り入れる』他)、私たちもしばしば用います。
が、結のこの見事な野菜メタファーには、
「おむすび」って、栄養士だけじゃなくて、
時にセラピストにもなってくれるんだなと思ったのでした(メタファーでした!)
*メタファー 比喩(ひゆ)の表現形式のうち、「まるで~」「~のような」などの明確な比喩表現を使わずに、他の物事になぞらえて表現する比喩のこと。「暗喩」「隠喩」などとも呼ばれる。例)「あなたは私の太陽だ」(新語時事用語辞典)。