「生きづらさを抱える子ども・若者への支援についてー自分を傷つけざるを得ない子どもたちに支援者として向き合うー」研修会に、Zoom参加しました

 

2025年11月8日、兵庫県いのち対策センター 令和7年度 自死遺族支援者研修会、「生きづらさを抱える子ども・若者への支援についてー自分を傷つけざるを得ない子どもたちに支援者として向き合うー」に、Zoom参加しました。

 

講師は、富山大学学術研究部人文科学系の飯島有哉先生

 

なぜ、今「自傷」に着目するのか。

それは、自傷行為者は、恐怖心が低くなる等の理由で、

自殺のハイリスク群になりえるから。

 

にもかかわらず、自傷行為についての正しい知識は周知されているとは言い難い。

例えば、理由は「構って」なんでしょ、と言った誤解

これは、どうして自分を傷付けるのか、その理由がわからないから、

わかりやすい理由を見つけて安心したい側面もあるからだと。

 

なので、それだけじゃない「理由」に関する知識、

自分を傷つけるのことへの十分な理解が広まって欲しいと。

 

そして実際自傷行為には、

十種類以上もの理由、機能(するメリット)があるのだそうです。

 

その中には、例えば、

「親を怒らせた自分が悪いから」(自罰)とか、

「傷にすることで、自分が辛いということがようやくわかる」(心理的苦痛を、目に見える形にする)とか、

「血を見ると、生きてるんだと思う」(感覚回復)とか、

高揚感を得る(刺激希求)とか、

「他の人がやらないことをやっている」(優越感)とか、

「管理的、支配的な環境の中で、全部自分の意志でやっている」(コントロール権の確認)とか、

「他の自傷する人とのつながりの印を作る」(つながり)とか、

「他の人に知らせてサポートを得たり、見捨てられないようにする」(対人操作)とか、

「あなた達のせいだ」(特定の人への仕返し)とか、

「ケアして欲しいという間接的な表れ」(セルフケア)とか。

 

そして、どのタイプであっても、根底には必ず

心理的辛さへの対処の側面があることを理解した上での援助が求められると。

 

では、どうしたら自傷行為を手放せるようになるか。

デメリットを言い聞かせても、効果は見られない。

それよりも、「こういう時は役に立つよね」という、前述のような、

その人にとっての自傷の機能(メリット)、パターンを「フェアに」理解し、

➡「自傷以外にどんな対処が出来そうか」対処レパートリーを広げ

➡「自傷しなくとも、何とかなる。大丈夫だ」という自信、

効力感が育まれると止められるのだそう。

 

自分の自傷行為のメリットを自覚し、有用性を認められている人ほど、

自傷を止めている。

自覚、自認出来れば止められるという、驚きの研究も紹介されていました。

 

そして、我々心理支援者が陥りがちなこと。

まずは、「マクロ」な支援

つまり、交友関係や家庭環境などの、

ストレッサーそのものをなくす環境調整が先決で、

我々が通常行う、「人に絶望させない体験」や「自分らしさを得られる体験」、

「居場所=所属感」「存在意義=貢献感」etc…の「ミクロ」な個別、心理支援は、

「マクロ」支援が落ち着いてから。

 

そして何より必要なのは、「死にたい」の話も出来る「安全な場」なのだと。

それには、以前ここでも紹介した「TALKの原則」Tell:「誠実な態度で話し掛ける」Ask:「自殺についてはっきり尋ねる」Listen:「傾聴する」Keep safe:「安全を確保する」)が、有益とのこと。

(参考 2025年8月29日付けブログ 「夏休みが終わる前に… NHK Eテレ「おとなりさんはなやんでる。子どもに『死にたい』と言われたら」(2025年7月24日 20:00~放送)」。

 

そして、そして、仮にかつて自傷経験があったとしても、

それを維持していなければ、つまり続けていなければ、

リスクは高まらずに何とかなるとのこと。

だからこそただ恐れるのではなく、正しく知って、

“ 生きる支援 ”が求められるのだと、強く思いました。

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