
こんにちは。
神戸カウンセリングサロンのみずさわです。
先日、【6月限定公開】
早稲田大学文学学術院教授 石田光規(みつのり)先生による
オンライン講座(YorisoWeL®共同印刷株式会社 主催)に参加しました。
テーマは「言わない上司と言えない部下」。
「若手の考えていることが分からない」
「上の世代にどうしても伝えられない」
こうした職場や家庭での「世代間ギャップ」や「行き違い」は、
なぜ起きてしまうのか。
社会学の視点から紐解かれたお話が、
関係性の修復、分かち合いのヒントになればとの思いを込めて、
幾つかのポイントをシェアして行きたいと思います。
◇ 若者が求める「理想の上司像」の変化
従来の「ぐいぐい引っ張っていく指示・命令型」ではなく、
現在は「寄り添う支援・傾聴型」の上司が求められています。
それはなぜか。
今の若い世代は、
多様性への配慮や個人を重視する「寄り添い型教育」を
ずっと受けて育ってきたからだそうです。
◇ 「個人尊重」の裏に隠されたプレッシャー
個人の自由や主体性が重んじられる社会になった裏返しとして、
現代はあらゆる選択に「自己責任」が問われる時代でもあります。
そうなると、彼らはいくつかの選択肢から、
「最も失敗のない最適なものを選びたい」と考えるようになります。
これが、人間関係においても「タイパ(タイムパフォーマンス)」
「コスパ(コストパフォーマンス)」重視の発想へとつながっていくのです。
◇ 人間関係も効率化される時代
効率よく最短距離で情報が得られる
オンラインや検索の技術に長けるようになった結果、
リアルな場に足を運ぶ機会が減り、
意図しない雑談や偶然の出会いは減少しています。
さらに「会わなくて済む」環境が増えたため、
一度でも嫌な思いをすると、関係を修復する労力をかけるよりも
「ブロックして関係を終了させる」方が合理的だと感じてしまう側面もあります。
このコスパ意識は、普段の人間関係にも影響を与えています。
「時間とエネルギーを投資するメリットがない人とは付き合わない」という選択が、自然に行われるようになっているのです。
◇ 「選ばれる自分」を演じる疲弊と、突然の限界
しかしこの裏には逆に、
人から「選んでもらえなかったらどうしよう」
「選ばれる人間にならなければいけない」と言う、
強い不安を生じさせます。
その結果、周囲に対して「魅力的なキャラクター」を演じたり、
「出来る人」を装ったりして、
過剰に適応しようとしてしまうのです(我々のテーマです!)。
上司や友人、身近な家族にすら本音やマイナスの部分を見せられず、
「助けて」を小出しに言えないまま、限界まで抱え込んでしまう。
そして、溜まった思いが突如溢れ出た時、
関係の全てを突然終わらせてしまう(リセットしてしまう)という
現象が起きています。
◇ 上司と部下の間で起きる「すれ違い」
こうした若者側の気質や背景がわからずに、
「何かあったら言って来るだろう」
「何も言って来ないから大丈夫だろう」と、
上司側が静観しているパターンが少なくありません。
あるいは、上司側もハラスメントへの懸念や行き過ぎた個人尊重の意識から、
「踏み込んで聞きたくても聞けない」と、
腫れ物に触るような対応になってしまうこともあります。
そうこうしている間に、
部下の「助けて」のサインは見過ごされ、
放置されてしまうのです。
◇ すれ違う心の扉 『風と共に去りぬ』が教えてくれること
この状況で私の頭に浮かんだのが、
名作『風と共に去りぬ』の主人公スカーレット・オハラと
レッド・バトラーの切ないすれ違いです。
寝室で待つスカーレットは、階段を上ってくるレッドの足音を聞きながら
「扉を開けて入ってきて欲しい」と願う。
他方、レッドは「閉じている扉を、
彼女の方から開けてくれたら中に入って行けるのに」と考えている。
実際の劇中ではもっと激しい愛憎劇として描かれますが、
お互いに相手を想い、求めているのに、
プライドや拒絶されることへの恐怖が邪魔をして、
どちらからも「心の扉」を開けることができないまま、
二人は別々の道を選んでしまいます。
「相手からアプローチしてくれたら応じるのに」
そう思い合ったまま、どちらもからも扉を開けないもどかしさ。
これは、物語のみならず、
現代の上司と部下の関係にも、
そして夫婦やパートナー間のすれ違いにも、
同じことが言えるかもしれません。
◇ 扉を開き、つながり直すために
石田先生の講座では、対策として、
強制ではない「緩やかなつながりのフック(場)」を用意することの大切さが
挙げられていました。
そんな実際の人間関係の扉を開ける時に、
ちょっとした「スキル」や「心の準備」が助けになります。
例えば、相手の言葉を耳と心で聴く「傾聴」や、
自分の気持ちを我慢せず、相手も傷つけずに伝える
適切な自己主張「アサーション」など。
これらを知ることで、お互いに「扉に手を掛ける勇気」が湧いて来ます。
当サロンでは、
職場、学校等の対人関係や、ご家族、ご夫婦間で、
「本音が言えない」「すれ違ってしまう」と感じている方に向けて、
具体的なコミュニケーションのサポートも行っています。
一人で抱え込んだり、関係を諦めてしまう前に、
まずは緩やかにつながることから始めてみませんか。
「心の扉」を開くヒントを、
♪扉開けて~♪お待ちしています。
これだと、「風と共に去りぬ」ではなくて、
「アナと雪の女王」ですね☺
ぜひ、お気軽にお越し下さいね♪
