『つながりの作法 同じでもなく違うでもなく』(綾屋紗月・熊谷晋一郎著2010 NHK出版)

“ウクライナ支援 健康フェスタ”(2023.7.19)の回で、
“自立”とは、何でも一人ですることではない。
むしろ、“依存先を増やしていくこと”。それこそが自立なのだと、
逆転の発想、目から鱗の発信をされている、脳性麻痺当事者小児科医の熊谷晋一郎さんをご紹介しました。

熊谷さんは、他にも「へぇー」なことをたくさん発信してはって、
本書の中では、
例えば、同じ笑いでも、“縦の笑い”は、優越感から生じる“嘲笑”
これに対して、“横の笑い”は、「あんたもやっぱりそうか」という“仲間同士の共感”
成熟した社会では“横の笑い”が増える、とか(p.172)。

上岡陽江さん(10代から処方薬依存やアルコール依存を経験。現在、薬物・アルコール依存をもつ女性をサポートする、ダルク女性ハウス施設長)の言葉を引いて、
大変な問題があった時は、意識して何度も何度も話すのがいい。
聴き手が違ったり、聴いてもらう回数が増えると、話の内容がちょっとずつ変わってくる。
痛みが静かな悲しみに変わるには、数え切れないくらい同じ話を誰かに聴いてもらわないといけない、とか(p.211)。

そして、この本の中では“過剰適応”にも触れられていて、
“社会の常識のど真ん中”にいる人達は、
「大変なのは皆同じ。辛いのはあなただけじゃない。だから、一緒に頑張ろう」と、人はさも対等であるかのような言い方をしがち。
で、それを言われた“マイノリティ=社会の端っこに追いやられている人々”は、それを正当だと信じて、それに合わせるように自らを過剰適応させ、あげく壊れて行く、とか(p.78~p.81)。

社会の常識のど真ん中にいない人達の、ど真ん中への過剰適応・・・

そこで思い出したのが、
先月末、期間限定で発売された“チョコぬいじゃった!きのこの山”
ナント、“ど真ん中”のチョコレートなしで、
“端っこ”のクラッカー部分だけで売り出されているようなのです。
そう、全部が端っこ
好きなだけアイスに乗せるなど食べ方も様々だそうで、
もはや、ど真ん中への過剰適応は存在しない!

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