ご覧になった方もいるかもしれませんね。
NHK土曜ドラマ「心の傷を癒すということ」(2020年)。
その後、劇場版も公開されました(2021年)。
阪神・淡路大震災で被災しながらも、被災した人々の心のケアに奔走した
実在の精神科医 故安克昌先生をモチーフにしたドラマ&映画。
阪神・淡路大震災で全壊した者としても(その話はまた別の回に)、
心のケアにたずさわる者としても忘れ得ぬ物語です。
その中で、安先生がつぶやいた一言。
それが、「心のケアって何かわかった。誰も、ひとりぼっちにさせへんてことや」。
そうだ!そうなのだ!皆さんを「ひとりぼっちにさせない」ために、我々はいるんだと。
で、ちょっぴり力が入っていた私に、最近こんな新聞記事が。
津村記久子さんの「となりの乗客-ルーティーンの味方」(2023年2月15日 朝日新聞)です。
「生きていてもっとも心許ないのは、
仕事をするために夜中に起きて布団から出なければいけない時だ。
今年は寒いからか、巣から追い出されるように悲しい気持ちになる」。
ところが津村さん、最近仕事にとりかかる前に用意するもの、やる事をリスト化してみたそうだ。
「タオル・紙袋(ゴミ箱代わり)」や「紅茶を淹れる・顔を洗う」などなど。
すると、リストに沿って
「これらをいろいろ事前に用意するようになって、なぜだか孤独感が減った。
おそらく、一人で仕事をしているようで一人ではないということに気が付いたからだろう。
わたしには、タオルを作ってくれた人も、紅茶を育ててくれた人も…ついている」。
わー、人だけじゃない。こんな<物や事にもひとりぼっちにさせない力があるんだ!>と、
相当ハッとさせられたのでした。